着想から発売までに2年かかった「Waterproof Socks」誕生ウラ話

着想から発売までに2年かかった「Waterproof Socks」誕生ウラ話

こんにちは!YOAKE PRODUCTSの山田翔大です。

今日は「Waterproof Socks」の開発の裏側について少しご紹介させていただこうと思います。

 

開発に至った経緯について

そもそも「Waterproof Socks」は、僕の音楽フェスでのとある苦い経験から生まれた製品です。

何を隠そう、僕は大のフェス好き。

中でも、「FUJIROCK FESTIVAL(フジロック)」は特に思い入れの強いフェスです。

あの広大な自然の中で、ハイネケンを煽りながら聴く音楽は格別!

毎年フジロックに行くのが我が家の恒例行事であり、僕にとっては生きがいと言っても過言ではありません。


しかし、フジロックに行くということは、イコール「天気」との戦いでもあります。

夏フェスなので暑さの問題もありますが、何といっても問題は「」。


2018年は2日目ヘッドライナーのケンドリック・ラマーのアクトで土砂降りに見舞われ。

さらに、翌年の2019年には、同じく2日目ヘッドライナーのSIAでケンドリック以上の豪雨が我々観客を襲いました。

もちろんレインポンチョや長靴などで雨対策はしていたものの、

足元は雨水がどんどん流れ込んできてずぶ濡れに…。

その時に痛感したのは、「足元が冷えると、身体が一気に冷え込んで体力も気力も奪われる」ということ。

深夜から始まるアクトを楽しみにしていたのですが、

心が折れてしまい、泣く泣くテントに戻りました。


この経験から着想を得たのが、

足元が冷えていない状態だったら、雨の日のフェスを快適に過ごせるのでは?

というアイディアでした。

それから数ヶ月後、某アウトドアメーカーのプロダクトデザイナーとして働いている知人にこの話をしたところ、

「めちゃくちゃいいね!それ、僕らで作ってみようよ!」と乗ってもらえて、

協業で「防水ソックス」の開発をすることになったのです。

 

 


試行錯誤を繰り返した開発中のウラ話

防水ソックスを作るにあたり、まず始めたのは他社製品の研究。

さまざまなメーカーの製品を買い集め、実際に履いてみて、履き心地やデザイン、防水性を検証しました。

その時に感じたのは、既存の防水ソックスは釣り用やスポーツ用として作られているため、

フェスやキャンプなどのファッションと合わせにくいデザインや形状だということ。

また、防水ではあるけれど、透湿性が低く汗で蒸れてしまって足が濡れているように感じる製品もありました。


「夏フェスで気軽に履けるように、サンダルと合わせても防水性・透湿性を担保できる製品にしよう」

「サンダルと合わせるなら、丈は他社製品よりも短めの方がいいな」

「デザインも余計なあしらいは入れず、色もどんなファッションとも合わせやすいモノトーンに絞ろう」


といったWaterproof Socksの軸となるコンセプトは、この頃に明確になりました。

リサーチ結果を踏まえて実際に工場でサンプルの製作を依頼し、届いたのが2019年。

試着をしてみたところ、防水性は問題なし!

シャワーでソックスを濡らしても、水を張った風呂桶に足を浸けても、水は内側に染み込んできませんでした。


しかし、履き心地にはまだまだ課題点が…。

雨の日に履いて長時間歩いてみたところ、他社製品で感じた「蒸れ感」を感じてしまったのです。

そこで、次はパイル地を入れ、足から出た汗を吸収する構造に改良してみました。

しかし、次の試作品を履いてみたところ、内側全体にパイルを施したことで保温性が高まりすぎるという結果に。

夏でも快適に過ごせるような防水ソックスにしたいのに、暑く感じてしまってはまだまだ製品として不十分。

頭を悩ませた結果、足の甲部分のパイルを取り除き、発汗しやすい足の裏や指先にだけパイルを入れることで、通気性が改善されました。

…と、このように何度も構造や形状の変更を重ねた結果、完成形が見えたのが2020年でした。

 

 


Waterproof Socksに用いられている素材・技術について

Waterproof Socksの品質については、他の製品と比較して高品質だという自負があります。

その理由は2つあります。


まず、「素材」について。

この製品に使っている素材は、具体的な名称を出すことが機密上できないのですが、

とある特殊な警備隊のための防水用品にも使われています。

過酷な訓練や災害現場などでも耐え得る防水性・透湿性と伸縮性を兼ね備えた素材なので、性能は折り紙付きです。


そして、「技術」について。

Waterproof Socksの製造を依頼している工場は独自の防水フィルム圧着技術を持っているため、

洗濯などによってフィルムが剥がれた箇所から雨水が染み込むといったトラブルが起きにくい構造の製品を作ることができます。

さらに、防水フィルムを特殊な形状に加工したり、縫い目を極力少なくすることで、縫い目からの雨水の侵入リスクもブロック。

おそらく、この技術は他社製品では使われていません。

 

 

「税込6,980円」という価格設定にした理由

「Waterproof Socks、気になるけどちょっと値段が…」

というご意見をSNSなどで時々見かけることがあります。

価格に関しては、確かに他社の防水ソックスに比べると安いとは言えないかもしれません。

でも、これだけは言っておきたいのですが、

決して暴利を貪っているというわけではないんです…。

先ほどお伝えしたような品質面にとことんこだわった結果、原価がかかっている上、

さらには「ようやく完成形が見えてきた!」という頃に訪れたのが「円安」。

製品を買っていただいた人たちだけでなく、台湾にある製造元の工場にもちゃんと満足してもらえるような価格にしたいと思い、世の中の情勢も踏まえて設定したのがこの金額でした。


「靴下1足で6,980円」と考えると高いと感じてしまうかもしれませんが、

「“快適”という体験を買う」

「長靴やトレッキングシューズの代わりにもなるかも」

といった観点でご検討いただけたら嬉しいな…と思っています。

 



「雨が降っているのが気にならない」という体験を、より多くの人に届けたい

ありがたいことに、2022年の発売以来、着実にご購入いただく方が増え、

時には「1足買ってみてすごく良かったから買い足したい!」

「家族にもプレゼントしたいと思っています」といった

メールや感想をいただくこともあります。


僕がフジロックで泣く泣く帰ったときのような思いを

購入してくださった方々がせずに済んだら嬉しく思いますし、

雨が降っていることが気にならないくらいフェスやアウトドアを楽しんでもらえたら、

それ以上に嬉しいことはありません。

 

これからも足元が快適になることで「雨の日でも楽しい」という体験を届けていけるよう、

Waterproof Socksの魅力を発信していきたいと思っています。